ビールの印象が店によって変わるというのは『黄金の虎』訪問を機に学んだのだが、チェコ9度目の訪問で改めてビール(巡り)の奥深さを思い知らされたのがこのお店。
プラハでUrquellを最初に出した店として名高いが、おそらく日本にこの店のストーリーテラーがいないので、意外と足を運んだ方は少ないのではなかろうか。
簡単に言うと、ピンカスのUrquellは甘い。麦汁の甘さ。私は何度かビール醸造工程の麦汁を飲んだことがあるのだが、あの甘さを感じるのである。日本のライトラガーで一番麦汁の甘さを感じたのは小田原ビールのそれであるが、さすがにそこまでは強くはなく、ほんのりと、Urquellの範疇で。
別にこちらから振ったわけでは無いが、HさんもYさんもピンカスのUrquellは同じく甘いと言っていたので、単なる都市伝説(?)ではないのかと。
伝統ある店というのはそれだけ不思議があってしかるべし。こうして振り返ってみると、チェコビールに寄り添った10年間は本当に素晴らしい時だったなあと。プラハに行く機会がございましたら、その時、ピンカスによろしく。