3日目はプラハを出て Zatec(ジャテツ)へ。Zatec はあの有名な”ザーツホップ”の産地。特に何かを期待していたということは無いのだが、「チェコビール巡り」としては一度は足を運んでおきたい場所。雪がちらついていていい感じ。せっかく冬にチェコに来たら、やっぱりこうでないとね。
『ホップとビールの寺』というのがあったが、開いていなかったため、どういうものかわからず。また、街の至るところでホップが栽培されていて、リアカーを引きながらホップを運び込む人々・・・なんて”演出”も当然ないわけで。まあ、普通の田舎街だからね。バスに載っている時もそれらしい風景に遭遇しなかったし。でも、そんなことは大した問題ではなく、早速目的の Pivovar へ。私が訪れたのは、Zatec に2軒ある内の比較的メジャーな『Zatecky Pivovar』ではなく、もう一つの Pivovarである『Pivovar U Orloje』。
当然、まずは無濾過の11°から。結構苦味がしっかりなんだけど、後からも甘みもじんわりきていい按配。美味いなあ。Minipivovar に来たからこそ飲めるビール。味の違いを説明するのは難しいのだが、こういうビールはチェコに来ないとなかなか飲めない。また、同じ Minipivovar でありながら恐ろしく完成度の高い『Vinohradsky Pivovar』の11°とも路線がやや異なる。レバーを煮たのだったかな?こってりランチをあてにして。
これが12°ともなると、様相がまったく異なるもので。ウイスキーのようなアルコールをやや感じる按配。これはさすがにぐいぐい飲み進めるビールではないなあ。いつもながら、チェコのホスポダはシックで落ち着く。11°を飲み続けながら読書をして昼寝して、一日居続けることができそうな気さえしてくる。
最後は13°のダーク。ねっとりしていてしっかりコーヒー感。今回の旅では、比較的ダークラガーを飲んでいるんだよね。といっても数杯なんだけど。黒ビール好きの方は、とりあえず模範とされる(?)プラハの『U Fleku』で飲んでから他の Pivovar で違いを楽しんではいかがでしょうか?ダークラガーは定番なので、どこの Pivovar でもホスポダでもまず置いてあります。
まったくもって”ホップ感”をお届けできる材料を持ち合わせないままに Zatec からプラハに戻ってきて、『Cafe Slavia』でまったり。今回の旅行中、春江一也さんの名著「プラハの春」をもう一度読み直しており、何度か話に出てくるこのお店をどうしても訪れたくなったのだ。以前にウィーンで入ったカフェほどの重厚感はないのだが、チェコの偉大な芸術家、文豪達に勝手に思いをはせて少し高揚してみたり。
いつも人で溢れかえっているこ洒落た小さな肉屋がホテルの近くにあり、ずっと気になっていたのだが、今回思い切って入ってみることにした。テレビや雑誌で見るような吊り下げられた肉やソーセージがディスプレイされていたりと。下から”がぶっと”かぶりつきたし!!
『Nase Maso Butchery』。肉屋がやっているイートインなのか、肉の販売もしているファストフード店なのかよくわからないくらいメニューも充実。迷うなあ。
この店に入る動機となったのは、もちろん”肉ありき”ではなく、そう、ビールも一緒にいただけるからなのだ。しかも、自分で注いで。「ギネスパーフェクトパイント」の講習を受けて認定証(?)をいただいた私が腕を鳴らして注いだ1杯は・・・。まあ、それはともかく、『Zamecky Pivovar Frydlant』の12°のラガーは苦味しっかりで、レアに近い熟成肉のハンバーガーと良く合う。
ソーセージも追加して、白ワインをキュッとやって。そうこうしていると、目の前では特設席みたいなのが設けられ、普通にディナーがスタート。もはやお店のコンセプトがどこにあるのやら。。。
お店は10人も入ればフルハウスなのでディナー時ともなれば常に混雑しており、この寒い中、外にあるカウンターで食べる人も。ちょっと観光地化してなくもないような雰囲気だったが、こういう食事(ビール飲み)のスタイルもやってみたかったので、とにかく満足。
最後に美味いビールと共に一日を終わらせたいのだが、〆の一杯となれば、『Nase Maso Butchery』とは同じ通り沿いですぐのところにあり、ホテルの近くでもある『Lokal』で飲む Urquell 以外に選択肢はない。ここでの立ち飲み用に常に50コルナ(ビールは47コルナ)硬貨をストックしていて、入る前から握りしめておく。これが最近のチェコにおける私のルーティーン。そして、これぞ正しくパーフェクトパイント!!