チェコビール巡り

チェコビールを中心とした旅行記と雑感です

チェコ旅行記2017 3日目

 今日は楽しみにしていたHさんとYさんとの再会。「チェコビール巡り」をしている私のために、わざわざプラハの Pivovar 2軒を予約していただいたのだ。プラハ中心部ならともかく、中心部から大分離れたところにある地元民の店に夜に出かけるのはそうは言ってもちょっと勇気がいるもので、お二人には本当に感謝。まあ、日本人が3人で、ここはどうだ、あそこはどうだ、とチェコの Pivovar について事前のやりとりをしている時点でちょっと普通では無いような気がするが、そこはチェコビール好きの成せる業と言っておきましょうか。

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 待ち合わせの夕方までに一軒。せっかくなので、地下鉄とトラムを乗り継ぎ、こちらもプラハの Pivovarである『Pivovar U Bulovky』へ。開店と同時くらいに訪れたのだが、ランチ時ということもあり、続々と客が来店。ビールのラインナップは、12°のラガーとヴァイス、アイリッシュレッドエールの3種。メニューを見た瞬間に組み立てが決定。夜があるので深入りは禁物。

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 まずは12°のラガー。今更ながら、小さい醸造所のラガーは無濾過が基本。草っぽい苦味からのしっかりとした甘味。旅行記を書くようになって少し味わって飲むようになったことで気づいたのかもしれないが、この草っぽい苦味のラガーもチェコに来たことで知った味。昨年 Hradec Kralove で「Uneticky Pivovar」の12°のラガーを飲んだ時にはっきりと意識したと思うが、もっと前にも飲んでいたのかも。実を言うと、夜訪れた2軒の Pivovar のラガーもこの草っぽい苦味を感じる按配だったのだ。

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 そして「Irish Red Ale」。ほのかにウイスキーっぽさを漂わせ、アルコール感も出ているが、いいバランス。口あたりが滑らかで奇麗なビール。こういうのも造るんだなあと。ビールはしっかりしているし、チェコに来て飲んでいるということをしみじみ感じるようないい雰囲気の店であった。

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 雪がちらつく中、Hさんと地下鉄Cラインの南の終点駅「Haje」で待ち合わせて『Jihomestsky Pivovar』へ。住宅街にひっそりと佇んでおり、外観からはまったくもって、ここでビールを醸造しているとは、また、皆がビールを飲みにくる場所だとは思えない。

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 間もなくYさんも到着し、1年ぶりの再会を祝して乾杯!!やはり、まずは看板商品である12°のラガーを。3人で飲んでいる間はメモを取っていなかったので記憶は曖昧なのだが、前述の通りやや草っぽい苦味を感じる按配。見た目通りボディがしっかりで、飲みごたえ十分。雰囲気がそうさせたのかもしれないが、フレッシュな感じがして、ビール造っているところで飲んでいるんだなあ、と嬉しくなってしまう。

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 そしておつまみに、手羽を揚げて味付けしたものと、牛肉のタルタル。チェコに来て、一番テンションが上がったビールの”あて”かも。味のついた手羽にスイートチリをディップして・・・、美味しくないわけがない。そして、初タルタル。生の牛肉のミンチに、調味料を加えてかき混ぜ、カリカリに焼いた(揚げた?)パンにニンニクをこすりすけて、味付けされた牛肉のミンチをのっけて食べる。ビールとのペアリングって、やっぱりこういうことだよね。

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 ビールはアンバーラガーと、ハーフ&ハーフを追加。どちらもチェコでは良く飲まれている。アンバーラガーは苦味が無く、ほのぼのとしたカラメル風味。ハーフ&ハーフは(淡色)ラガーとダークラガーをミックスさせたもの。アンバラガーって、(淡色)ラガーとダークラガーの中間くらいに思っていたから、アンバーとハーフ&ハーフって同じような味になるんじゃない?って密かに思っていたこともあるのだが、こうして続けて飲むと全然違うことがわかる。どう違うかと聞かれてもちゃんと説明できる自信はないが・・・。f:id:bohemianbronco:20200105164042j:plain

 

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 小麦系好きのYさん氏は白ビール攻め。ヴァイスを少しだけ飲ましていただいたが、酸味を好むYさん氏にはやや物足りない按配だったか。年に一回、「Urquell 祭り」で木樽らの”無濾過 Urquell” を無料で飲むことのできるプラハのホスポダの話等をしながら、すっかり”チェコビール通”になってしまった(?)Yさんから『Breweries』なるアプリを教えていただいた。ホテルに帰ってダウンロードしたのだが、自分で訪問した Pivovar を地図上からチェックできる「ビール巡り人」としては非常にありがたいシロモノ。レビューがチェコ語オンリーなのだが、チェコスロバキアのほぼすべての Pivovar をカバーしていると思われ、これに勝るガイドは無いのではなかろうか。早速、自分が訪問した Pivovar をタッチして色を反転させてみたのだが、何か少し悲しくなってしまった。チェコの Pivovar 多すぎる・・・。このアプリを見てしまうと、偉そうに声高で「チェコビール巡り」してます!!なんてとてもとても。

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 今回は「プラハ Pivovar はしご酒」なので、ここですべてを出し切らずに3杯で切り上げ、地下鉄Cラインの今度は北の終点駅の一つ手前である「Prosek」へとほぼ端から端までの移動。「Prosek」から市バスに少し乗って到着しました『Minipivovar Beznoska』。こちらも一人ではまず夜に来ることはできないだろうなあ、といった場所。

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 ビールも料理も種類が多い。「Jihomestsky Pivovar」でも思ったのだが、HさんもYさんも店員とフレンドリーにやりとりできるのが凄い。日本にいても能面でビール飲んでいる私が恥ずかしくなってくる・・・。

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 まずは10°のラガー。いろんなの飲んでみたいと思ったので、小さいジョッキで。ここのラガーも草っぽい苦味が特徴的。10°ということもあってか、「Jihomestsky Pivovar」で飲んだラガーよりもよりホップの印象を強く感じる。それにしてもお二人は2軒目にも関わらず、飲むペースがまったく変わらず、まるで酔った様子を感じない。元々酒に強いのか、チェコで鍛えられたのか。おそらくチェコの美味しいビールを口にして自然と飲む量が増えたのだと思いますが・・・。

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 続いては12°のラガー。そうは言っても看板商品の12°は0.5Lのジョッキで。10°より幾分ボディがしっかりしているが、やはりホップが強い按配。ここのラガーは結構好みが分かれるんじゃないかな。この辺りからちょっと怪しくなって・・・。せっかくお二人にいろいろとアレンジしていただいたのに、ゲストの私がうとうとと。大変失礼しました。

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 そうは言ってもアメリカンペールエールとビターラガーをそれぞれ小さい方で。同じところで造っているから当然と言えば当然だし、ラガー3杯ということもあり、私が半分寝ていたことも多分に影響しているが、どれも結構味が似ている。(淡色)ラガーとアメリカンペールエールははさすがに違うだろう、というのはわかるのだが、やっぱりどうして Beznoska のビールだっていう印でもついているような感じを受けたのだ。

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 結構な時間になったのでお開きとなり、バスで帰るお二人と「Prosek」駅でお別れ。余韻に浸りながら再び地下鉄Cラインに乗って中心部へ向かっていたつもりが、駅員に肩を叩かれ、気づいたら「Haje」駅に。寝過ごして、舞い戻ってきてしまったみたい・・・。折り返しの電車に乗って、今度は目をしっかり見開いて最寄りの駅で下車し、大雪の中、無事ホテルに帰還。最期にオチが付きましたが、お二人との再会と3軒のPivovar 訪問。何とも幸せな一日でした。改めてHさんとYさんに感謝。またお会いできるといいなあ。

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