前日就寝したのが1時頃だったので、さすがに5時起床とはいかず、7時過ぎに起きて朝食食べた後ホテルでごろごろ。日本にいると最近は量を飲むことがないので、結構飲んだ翌日の昼から飲めるかなあ。そんな心配も当然杞憂に。「Vinohradsky Pivovar」のビールが良かったからか、「おっ、いけるな!」ってな感じになったので10時過ぎにホテルを出ることに。明日に帰国となるので、今日が実質的に最終日。しかも、やり残したことがどうしても一つあったので、どっちにしろホテルを出ざるを得なかったのではあるが・・・。
やり残したこと、そしてやらなければならないこと。それは、このホスポダを訪れることなのだ。『黄金の虎』と並び評されるチェコ伝統のホスポダ『Jelinkova』。ど~です。見た感じ入りにくそうでしょ。『黄金の虎』は何故だか日本では一部のビール層で有名になっているけど、ここはまったくといっていいほど情報が無い。かくいう私も知ったのはごく最近なわけで。日本からフランクフルトかフランクフルトからプラハかは忘れたけど、機内の雑誌にあったプラハ特集にここの名前が『黄金の虎』とともに載っていたくらいなので、「チェコビール巡り」とのたまうHPがここを外すわけにはいくまい。
はい、来ました。泡がキメ細かく、非常に柔らかな口当たり。醸造所で飲んだの以外では一番温度が低いかも。すーっと入っていって、それほどコクや甘味を感じないと思いきや、苦味がさっと消えて最後にじんわりと甘味が。お~、そうきますか。『黄金の虎」とどう違うか説明しろと言われても困るのだが、とにかく美味い!!
キャパシティは小さく、しかも「Reserve」の席もあるので、開店時間とされる10時過ぎに入ってそそくさと飲むのが旅行者の正しい行動様式ではないかと。ビールの追加は「わんこそば」方式ではなく、お店の人が「もう一杯飲む?」ってな合図を送ってくれる。私のこれまでの「チェコビール巡り」経験からすると、いいペースで飲んでいれば店の人も気にかけてくれ、ほど良いタイミングでおかわりを促してくる気がする。
常連と思しき方々がソーセージ等のおつまみをオーダーしていたので、普通に食事もできる店なのかも。私はというと、とてもとても居座ってゆっくり飲んでいるのは恐れ多いので、速やかにビールを味わうことに。
泡持ち抜群。常に口当たりが良くて気持ちいい。空になったジョッキにはこの通りの奇麗な「天使の輪」が。いろんな条件が揃っていないとこうはならないんだよね。美味いビールって、見た目からしてそれを醸し出していることが多い気がする。そう言えば、チェコで淡色ラガー(一般的にピルスナースタイルと呼ばれるビール)を飲むとかなりの頻度でこの形のジョッキだけど、日本ではほとんど見ないよね。私はベルナルド醸造所で買ったマイチェコジョッキを持っているので、時折それを使ってビールを飲むことがあるんだけど、何か美味しい気がする。
サクっと3杯飲んで店を出ることに。
カウンター付近はよりコアな常連の指定席なのだろう。雰囲気が違いますな。店の扉には10時開店と書かれているが、どうやら必ずしも10時ぴったりに開店しているわけではないので、ここを訪れる方は、午前中を潰すつもりで気長に開店を待ってみては。もちろん、ここに来るくらいのビール好きであれば時間を潰しても後悔はしないはずかと。
お昼を食べて街をうろうろ。美味いヒールを飲んだ後は気分が良く、街もより一層魅力的に見えてくる。そう言えば、今回の旅行ではあんまり歩いてないなあ。私の旅行は歩き倒すことが基本なのに。ちょっとプラハ慣れしすぎたかも。
スーパーでSvijanyの11°とあんまり見ないUrquellの白い缶をお土産に購入。”空輸便”のUrquell缶はやっぱり美味いので、チェコに行く度にパック買い。Svijanyも良かったけど、日本に持ち帰って飲む場合はどうしてもUrquellには勝てないのよ。チェコのホスポダで飲むと、それぞれのビールの個性が良く出るんだけどね。
前日飲んでた時にHさんが、私が2年前に行きそびれた「Pivovar BASTA」の話をされたので、おお、これは行かねばと。地下鉄に乗って最寄り駅を降りると新市街方面の景色が。こうして見ると、テレビ塔はやっぱり浮いてるなあ。
ちょっと道に迷ったが、無事到着。前日の「Vinohradsky Pivovar」といい、プラハには私の知らないMiniPivovarが他にもあるだろうし、また新たにできていくだろうし、「ビール巡り」に終わりは無いね。
ラガーとセミダークラガー。IPAは欠品かあ。もう一つ何かわからないのがある。ベルギービールも飲むことができるんだ。結局ベルギービールは飲まなかったけど、それほど高くないし、よくよく考えたら私好みのラインナップだったので、飲んどこけば良かったかな。
もちろん、初めはラガー。苦味がすぐに消えて、じわじわと甘味が口に広がっていく感じ。ボディはしっかり。(淡色)ラガーはどこのPivovarでも看板商品であり、当然もっともこだわりをもっているはずであってPivovar毎に微妙に味が異なるのだが、その違いをわかりやすく説明するのはとてつもなく難しい。ビールのお供は中欧の国では良く見かける薄い豚のカツレツ。
セミダークはカラメルのほぼほぼドクターペッパー風味。こういうのもチェコでは結構好まれるということなのだろうか。ラストは「Albrecht」というビール。ややグレープフルーツの渋みを伴った味。アメリカンペールエールかな?これまで飲んだことがない不思議な感覚。
チェコに限らず、1つのブルワリーでラガーやエールをいろいろと造っているところがあり、当然ビールによって味は違うのだが、やはりどこかで「ここのブルワリーのビールっぽいな」っ感じるんだよね。当たり前といえば当たり前という感じもするし、そうなもんかなあという疑問も無くはないし。
チェコ最後の夜。寝るのも惜しいくらいだったが、昨日夜ふかししたせいか、ベッドで横になって本を開いたのもつかの間眠りについてしまった。荒れに荒れていた金融市場が週末になっていくらか落ち着きを取り戻したことに安心したのかな。世の中がどんなに騒がしくてもプラハの景色とビールは変わらず素晴らしい!!