チェコビール巡り

チェコビールを中心とした旅行記と雑感です

チェコ旅行記2017 5日目

 さて、後半戦。朝5時の電車に乗らなければならないので、3時台に起床し、昨日スーパーで購入したクロワッサンとミルクとヨーグルトをかきこんでプラハ本駅にむかう。昨日の夕方からまた雪が降っていたが、そこまでは積もってはいない。

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 さすがに人もまばらな電車内。Plzen でいかにもなローカル線に乗り換え。それにしても、さすがに電車の乗り換えは難しく。危うく違う電車に乗ってまったく知らない場所へ行くところだった。到着駅は一日に数本しか電車が止まらず、この電車を逃していたら、私の重要なミッションは完全にインポッシブルであった。

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 8時にChodovar Plana という駅で私一人下車。駅舎には鍵がかけられており、中に入ることができず。電車が到着する時間でも開いてないのかよ。電車待ちの人寒いじゃん。・・・、そういえば降りる人もいなければ乗る人もいなかったなあ。ちなみに、帰る時も私が朝残した以外の足跡は見当たらず。まあ、どっかにカフェみたいなのがあるのでしょっ、ってことで目的地に向かっててくてく歩いていくが、まったく腰を落ち着ける場所を発見できず。目的地を過ぎて探しても何もなし。

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 というわけで着いてしまいました『Chodovar』。この Pivovar はホテルとレストランを併設しており、トータルの敷地はかなり広い。予約した時間までは3時間以上もあるので、ホテルの受付の方に断って、受付前のソファーで読書をしながらまったりさせてもらう。11時になるとレストランが開いたので、ビールを飲みながら昼食をいただくことに。レストランの入り口には、日本の観光地で見かける顔を入れて写真を撮る用の例のものが。

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 11°のラガーは甘さしっかりの按配。鳥を甘辛く焼いたものと、クネドリキを食べたら丁度良い時間に。このレストランは団体をいくつか受け入れることができそうキャパシティ。近くに有名な観光地でもあるのかなあ。

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 予約時間の12時に受付へ。予約の段階からここにたどり着くまでそうすんなりとはいかなかったので、安堵感が全身を覆う。先に支払いを済ませた後、受付の方から、階段を下りて、突き当りの扉のところでインターホンを押すように言われて。ああ、この扉の向こうが私の憧れの場所なのかと感慨深く。f:id:bohemianbronco:20200111135823j:plain

 

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 更衣室で着替え、シーツみたいなのに包まってパーテーションで区切られた一室へ。初めて見るビール風呂。ビールの発酵過程みたいだなあ。自分がビールの原料になった気分で浴槽へドボン。お風呂としてはぬるめの温度。色や匂いからは、「ビール風呂」っていうより「麦汁風呂」って感じだね。そして、待ちに待ったビールinビールを堪能。う~ん、幸せ。

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 このねっとりとした泡にホップやその他ハーブが凝縮されているのだろう。しっかり顔に塗ったくってみる。数時間後にはきっと3歳くらい若返っているはず。このお風呂での滞在時間は20分とのことだったが、与えられたジョッキ1杯を速攻で飲み干してしまい、ぬるいお風呂でちゃぷちゃぷやっているだけだと、意外と長く感じる。

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 20分経って、係の人に促されてリラクゼーションの部屋へ。毛布に包まることで先ほどのビール風呂の効果を高めるらしい。ここで、もうジョッキ一杯のビールが与えられる。これも初期のロード・ウォリアーズ並みに短時間で片づける。私以外に客がいないので、貸し切り状態。真冬のこんな都会から離れた場所で平日昼間からビールinビールしようなんて輩はそういるわけはない。ここでも20分、何とも言えない時間を過ごして全行程終了。駅に向かって歩いてると、あら不思議、全然寒くない。温泉入った後のようにポカポカというのではなく、体の中からじんわりきているような。Chodovar Plana の駅舎にはやっぱり鍵がかけられていて、吹きっさらしのホームで30分ほど待機。。。ビール風呂入ってなかったら、風邪の一つや二つひくところだったよ。いやあ、ビール風呂入りにわざわざ遠くまできて本当に良かった。んっ?何か間違っているような・・・。

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 経由地である Plzen で下車して次の目的地へ。Plzen を通り過ぎるだけってどうしてもできないんだよね。ビール好き、特にチェコビール好きにとっては。どんどん観光地化されてくような「Prazdroj 醸造所」を通り過ぎる。アサヒビールが買収した影響っていうのは将来的に何かしらの形で出てくるのでしょうか。

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 チェコへ行かれた日本のビアバーの方が絶賛していた Urquell を提供する店「U Mansfelda」へ。ここには Urquell の注ぎ手チャンピオンがいらっしゃるとのこと。f:id:bohemianbronco:20200111140532j:plain

 

 早速、Urquell をオーダー。おお、この泡凄い!!キメ細かいという表現では足りないくらいのレベル。ここも他の Urquell の有名店同様に一度注ぎなんだけど、泡がビールから独立しているかの如くの存在感。もちろん苦味があるが、コクがあって独特の風味を感じ、甘味が口に広がる按配。美味い!!

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 あっ、壁のポスターにプリントされている方がチャンピオンなのだろう。多分、さっき注いでくれた方だよね。Urquell ほど店によって印象の違うビールは他にないのではないかという話は以前にしたとは思うが、今更ながら、本当に面白いビール。私もそれがわかったのは結構最近ではあるるのだが、初めてチェコに行かれる方には是非こういった美味い店を訪れていただきたい。まあ、そうは言っても『黄金の虎』に行けば間違いはないんだけどね。

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 ”チェコ名物”のチーズフライを食べながらもう一杯。おやっ、ここも「Snyt」できそうだね。この最高の泡で是非泡ビールを飲んでみたい。もちろん、やってみました「Snytで!!」。

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 変なアジア人に「Snyt下さい」と言われたせいか、やや戸惑いを隠せない様子ではあったが、ほぼ「Mliko」状態の「Snyt」が登場。生クリームのような食感。もはやビールの泡という領域を超えてるね。

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 やはり、Plzen 恐るべし。プラハで大抵は事足りるのだが、1時間半ほど足を延ばせばビールの"聖地"が待っている。嗜好が変わっても、時代が変わっても、きっと Plzen は Plzen であり続けるだろうなあと。30年後か40年後かわからないけど、きっとこの街に舞い戻ってくる。私のインスピレーション、パースピレーションが必ずそう働きかけるはず。

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