昨日のビール風呂が効いたのか、とても調子がいい気がする。そういえば、今旅行中の金融市場はとても平穏。昨年のチェコの時は、中国の景気減速懸念と原油急落の真っただ中だったし、イタリア旅行の時は Brexit。まったく気がかりが無い状態での旅行というのは本当に素晴らしく、格別にビールが美味い!!もちろん、こういう時こそあれやこれや考え事をするんだけど、日本から離れた場所で一人でビールを飲みながらだと、思考が研ぎ澄まされる感じがするんだよね。でも、しらふになった時には、そこで思いついた”抜群の”アイデアを忘れてしまう・・・。
今日もお出かけなので、プラハ本駅に7時過ぎに到着。電車までちょっと時間があったので、昨年も入った「Krusovice」のバーへ。7時からモーニングをやっているのだが、ありがたいことに当然ビールも飲むことができるわけで。
やっぱり、10°のタンクビール。キレのいい苦味と甘さが同時進行で攻めてくる。私の中の「Best of 10°」と断言しておこう。ただ、正直言うと、それほどいろんな10°を飲んでいるわけではないので、”これはっ!!”という10°がございましたら、是非ともご一報下さい。そう言えば、先日Y氏から教えていただいた Pivovar 検索アプリ『Breweries』におけるここの Pivovar の評価は低い。いや、もっと言うと、ここを含めた大手醸造所の評価は大概低めとなっている。もしや、と思いクラフトブルワリー的なイメージある「Pivovar Kocour」を見ると、予想通りの高得点。他のいかにもクラフトっぽい Pivovar も同様。『Breweries』における Pivovar の評価は日本の評価サイトと同様に投稿者の採点によるものと思われるが、わざわざこういうアプリにレビューを書き込む人は、基本的にはビールにちょっとこだわりをもっているのだろうから、”大手ビール万歳”とはどうしてもなりにくい。毎日 Urquell を飲み続けているような人々がこのアプリにレビューを書き込むとは思えないし。まあ、仮に似たようなアプリが日本にあったとしても、恐らく同様の結果となることだろう。日本の場合は一周周って、意外と大手の評価が高くなるという現象が起きるかもしれないが。
さて、電車に乗ること2時間半。実に4年ぶりにやって来ました Ceske Budejovice。いやあ、久しぶり。まあ、日本人の単なる旅行者が4年ぶりで Ceske Budejovice を訪れるのに、”久しぶり”という表現を使うのが適切だとは思わないが・・・、と電車の中で伊坂幸太郎氏の小説をしっかり読み過ぎたせいで妙な一人ツッコミを入れてみる。
中心部からちょっと行ったところにある、”私のチェコビールの原点”である『Kramy』へ。あの頃は、お店に入るのにいちいちドキドキしていた気がする。今となってはカウンターで立ち飲みまでするようになってしまったというのに。
早速、私がチェコビールを意識するきっかけとなった Budvar の無濾過ラガーから。結構澄んでるね。『Kramy』のデフォルトとなっているこのビールについては以前に書いたのだが、久しぶりにこうして飲んでみると実に甘い。こんなんだったんだなあ。チェコに限らず、多彩なビールを飲むようになってからこのビールを飲むと、何とほのぼのとした味わいかと。思い返せば、苦味とキレがあって炭酸の爽快さを感じ、仕事やスポーツ終わりに食事と合わせるマストアイテムとして位置付けてきた私のビールに対する概念を変えたのがこの一杯であった。まず、苦くない。むしろ甘い。そして炭酸をほとんど感じない。さっぱりするわけでもない。私の中で”ビール”が何か別のものとして動き出した瞬間であった。今回、注ぎ方をよく見てみると、やはり、泡の状態で注ぎ、時間をかけて仕上げていくやり方であった。決してサーバーが故障しているわけではなく。Urquell で奨励されている(?)一度注ぎとは違うね。炭酸をほとんど感じず、モルトの甘さが際立つのはこの注ぎ方の影響が多分にあるのだろう。
ランチメニューはチェコ語オンリーだったので、いつもながらの運任せ。来た瞬間、失敗した~、と思ったが、食べてみると、ほぼロールキャベツだったのでむしろ大正解。欲を言えば、クネドリキでは無くてライスが良かった。「Original」という Budvar の定番ラガーを追加。無濾過に比べるとかなりあっさり。
Ceske Budejovice には、ここや本社内、その他もう一軒程度直営のパブがあり、チェコにビールを飲みに行かれる方には、是非一度、プラハから2時間半電車に揺られて Budvar を飲みに行くことをお勧めします。Urquell 好きな方も、「もう一つの」を知ることで見えてくるものがあるかもしれません。
「Kramy」からちょっと行ったところにある『Minipivovar Krajinska 27』。お~、昨日私が入ったビール風呂みたい。更に泡がもこもこしているから、きっとお肌や冷えには効果抜群に違いない。てなことを書くと、このご時世、本当に飛び込みそうな輩がいるかもしれないので、冗談はこのくらいで。帰り際には、工場見学らしきことも行っていた。
11°と12°、IPAに加え、店名が入った27°もある。27°かあ・・・、う~ん、やめとこ。
12°と悩んだのだが、フィーリングで11°の無濾過ラガー。結構苦味しっかりで後から軽めの甘味。出来立ての若さを感じるのが、こういう Minipivovar の楽しいところでもある。飲んだ後の泡の残り具合や”天使の環”がとても良い。
もう一杯はIPAを。派手過ぎないグレープフルーツ味でよくまとまった典型的な”チェコIPA”。今更ではあるが、ダークラガー飲まないなあ、自分。特段嫌いなわけではなく、ラガーじゃないけど日本では普通にギネスとか飲むし、たまに日本でチェコのダークラガーが入ってたりすると有難くいただくんだけどね。チェコで店に入ると、どうしても「Svelty Lezak」、つまり、英語の「Pale Lager」、所謂「普通の(淡色の)ラガー」を目がけてしまうんだよね。じゃあ次となると、違う度数のラガーか、IPA等のチェコではちょっと珍しいものへと。
私は昼食後だったので食事はしなかったのだが、HPを見る限りではこだわっていそうなので、食事をしながらいろいろなビールを楽しむのがいいのかも。本当は、ついでに Trebon へ行って「Regent」のビールも飲みたかったんだけど、昼に2軒行くとどうでもよくなってしまって、結局、電車でプラハに舞い戻ることに。
夕食は Urquell を嗜みながらのピザ。毎回チェコに来るたびに、もっとたくさんピザを食べたいと思うのだが、美味いビールを優先させようと思うと、なかなかビザを食べに行く機会が無い。いつか、少しビールから解放されたら、チェコで毎日ピザ食べよう。無理かな・・・。
やっぱり、美味い Urquell が飲みたくなるので、「Lokal」で本日ラストの一杯。サーバーの真ん前で飲んでみる。間違いない完璧なシルエット。私の粋な飲みっぷりに敬意を表したか(?)、店員がとびっきの笑顔とサムアップでコンタクトを取ってくる。もちろん、私もとびっきりのドヤ顔とサムアップで応える。ビール好きで良かった。