明日に帰国となるので、気合いを入れて「ビール巡り」に取り組む。チェコに来る旅に「ビール巡り」の密度がどんどん濃くなっている気がするが、帰国した後、さらにもっといろんな場所で飲んでみたいとすぐに思い始める。この「飽くなき探求心」を少しでも仕事にと・・・。そう言えばまだお土産を買っていなかったことに気づいた。チェコ在住のお二人に、Andel の Tesco がビールを含めて商品の種類が豊富だと伺ったので、旧市街をぷらぷらした後、お土産購入のために地下鉄の Andel駅へ向かう。
今回、何度か「Bernard」の「IPA」を宣伝する看板を見かけた。2年前のモラビアでは「Ale」が大々的に宣伝されていた。結構広告にお金をかけている気がする。ということで、Tesco でIPAを購入。また、何となく「Prazdroj 醸造所」で造っているサイダーも購入。私は飲んでいないのだが、抑えられた所謂「チェコIPA」の模様。短絡的過ぎるかもしれないが、「Bernard」だから間違いはないだろうと。これが仮に「Prazdroj 醸造所」のIPAという話だったら、試しに自分で飲まずにお土産で買っていくことはあるまい。分かっていただけるでしょうか、この感覚。
Tesco で会社への土産購入も済ませ、久しぶりの Andel 歩きを楽しんでいると、そう言えばと立ち止まる。確か、ここは Urquell の有名店ではないかと。『Plzensky Restaurant Andel』。まだ10時過ぎではあったが、もう開いていそう。んっ、同じ敷地内に入口の扉が2か所ある。私のそれほどには多くないチェコ経験からでもピンとくる。レストランスペースとパブスペースに分かれているのだと。そして、パブスペースは一見さんには敷居が高そうだと。でも、でもでも、ここはこっちだよね。
パブスペースに”潜入”。予想通り、いや、予想以上の緊張感。「間違いました」と帰りたい衝動を抑えて、カウンターでビール一杯をお願いしてみる。明らかに怪訝な様子ではあったが、オーダーさえ通ればこっちのもの。別に悪いことをしているわけではない。ただ、ビールを一杯飲みたいだけなのだ。写真を撮るのもはばかられるような感じがして、いつも以上にぶれぶれ。
ノスタルジーを感じるというにもあまりにノスタルジックな雰囲気。どこかの歴史博物館に来ているようでもある。そして、なんだかわからないけどちょっと興奮した状態でいただく一杯。苦い!とにかく苦い!!さらに、ずっと苦い!!!私のUrquell 史上最高の苦さ。ほとんど甘味は感じない。どうしてこんなに違うんだろう。でも、これも Urquell。。。
そして、本来、本日1軒になるはずであった、初日に入りそびれた店『U veverky』へ。昼から人気だね。
ここの Urquell はコクのあるタイプ。でも、そこまでくどくはなく、苦味は後から少しだけ。先ほどの Andel の店とは明らかに反対を向いてるね。こうして Urquell の店をはしごすると、違いは良くわかる。Urquell くらいじゃないかなあ、一つのビールをいろんな店で飲み比べするというちょっと(かなり?)マニアックな”行脚”が成立するのは。
またもやランチがチェコ語オンリーだったので悩んでいたら、店員の方がわざわざ英語で一つ一つ説明してくれた。でも、結局、隣の席の人が食べてるの下さいって。ナイフを入れると、中にはソーセージとか、いろいろ詰まっていた。チェコ料理で米、初めてかも。。。
地下鉄に乗って、3日目に行った「Pivovar U Bulovky」と同じ最寄り駅で下車し、とことこ歩いていく。住宅街を抜けて、どんどん何にも無くなっていって、本当にビール飲むとこあるのかなあと。方向音痴で地図が読めない私は案の定、道に迷って途方にくれる場面もあったが、何とか到着。結構遠回りしたなあ。
『Pivoar Kolcavka』。ここは比較的最近できた Pivovar らしいのだが、東京と同じようにプラハでも醸造所は増えているようで、30軒くらいの Pivovar が存在する。その内、私が実際に訪れて飲んだのはこの旅行が終わる時点で14軒。結構行ってるか。観光地から離れたところにあるガイドブックの掲載も無い店に入るのはややためらうのだが、ビールの店だけは比較的気楽に入ることができるようになってしまった。
早速、12°のラガーを。結構色が濃いが、アンバーとかセミダークでは無い。柑橘系のホップも使っているのだろうが、IPL(インディア・ペール・ラガー)というほどホップが全面に出てくるわけでもない。普通のラガーだと思って口にしたのでちょっと意外感はあったが、よくまとまっていて普通に美味しい。
続いて飲んだ11°のラガーは適度な苦味とほのかな甘みを持つ一般的なボヘミアンラガー。最後はIPA。こちらも一般的な「チェコIPA」で、見た目も飲んだ感じもスッキリ。飲んだ3種類で判断すると、尖がった感じはなく、飲みやすい、飲み飽きないビール造りをしている印象を受けた。
いつもながら、醸造設備がすぐ傍にあり、仕込み窯から漂う麦汁の香りを強く感じることができるのが、こういった「Minipivovar巡り」の楽しいところ。何百とあるチェコの Pivovar を巡り切ることは当然叶わないことだけど、その土地土地の雰囲気を感じながら出来立てのビールを味わっていけばいい。
さて、本日最後は、どうしても気になっていたあの店へ。私がホテルからプラハ本駅に行く途中にあるため、いつかはと思い続けていたのだ。日本でもしばし見かけるこの「冷た~いビールあります」のペナント。日本人を惹きつけて止まないこのフレーズ。なのにこれまで一度も入店しなかったのはいつも極寒の時期にチェコを訪れるせい!?
『Tlusta Koala』。入口からだとわからなかったのだが、奥行があって、結構広めの店内。ビールがメインであることに間違いはなさそうだが、普段使いのバーといった雰囲気。ビアバーも含めて、日本の飲食店が禁煙・分煙にになってきているせいか、スモーキーさがやや気にはなる。私自信は煙草は吸わないものの、バーでの煙草はある程度しょうがないと思っているが、服に匂いがしみ込んでなかなか取れないのには辟易する。
その名も「Koala」という、「Uneticky Pivovar」の12°のラガーで始める。昨年 Hradec Kralove で飲んだ12°とは違って草っぽい感じはせず、苦味とボディがしっかりのどっしり構えた按配。この店のハウスビールとして造ってもらっているんだろうけど、Hradec Kralove で飲んだのとはレシピが違うのかな?一応夕飯も兼ねているので、チキンウイングとフレンチフライ。
3年ぶりの「Staropramen」で3年ぶりの「Velvet」。そして度数がわからなかったけど、ラガー。ちょっと感じるアルコール感。やっぱり、今日行った Andel にほど近い工場隣接のレストランで飲みたくなる。こういうことを繰り返すことで、次にプラハに来ることがあった場合に訪れたい店が雪だるま式に増えていくんだよね。