ポートランドからアメリカの長距離バスである「グレイトハウンドバス」に乗って一時間ちょっと。今回の旅行で唯一の郊外散策に出かけてみた。本当はマウントフッドに登りたいところだけど、旅行の趣旨が大きく変わってしまうのでしょうがない。それにしてもアメリカが車社会であることを痛感するのは、こういう時かな。小旅行好きなので、ポートランドを拠点にバスに乗って毎日近郊の町を訪れるのがベストなのだが、そういう使い買ってのいいバスとか鉄道はアメリカにはないからね。アジアやヨーロッパだとこれができるんだけどなあ。国土が大きすぎるというのは旅行者にとって不便でもある。
さて、雄大なコロンビア川沿いにある町フッドリバーに到着。古びたモーテルにキャンピングカー、カラフルな色のピザ屋。何となく撮ったとはいえ、ちょっと古いアメリカ映画のワンシーンみたいでなんかいいでしょ。
地球の歩き方に載っていたブルーパブ「Full Sail Brewing」に到着。
フッドリバーはくまなく歩いてまわっても1時間もかからない大きさであるが、このブルワリーは結構な規模を誇っている。実際、オレゴン州だけではなく、他の州にも出荷されており、比較的メジャーなブルワリーであるようだ。
ここでもテイスティングセット。いろんな国のビールにインスパイアされているのか、イングリッシュなんとか、ベルジャンなんとか、そして、なんと、「ボヘミアンピルスナー」を名乗るビールもあった。私の前でピルスナーを名乗るとは何事かと、勝手連的に怒りがこみあげてきたが、いろいろ教えてくれたし(ほとんどわからなかったけど)、他のビールをテイスティングさせてくれたりと、開店早々現れた怪しい日本人に対しても「お・も・て・な・し」の心を存分に発揮してくれたので、矛を収めることにした。
IPAとアンバーがおいしかったので、アンバーをおかわり。食事はフィッシュ&チップス。フィッシュは場所柄サーモンに。それにしてもアメリカのブルワリーはとにかくいろんな種類のビールを作るよなあ。なんか、個々のビールうんぬんというより、トータルで「どうだっ!」って感じ。日本ではこういうの少ないから、アメリカらしく豪快かつ華やかでいいよね。
私がここで飲んでいる時に思ったこと。アメリカンペールエールやIPAというイギリスから派生したジャンルは Brew Dog がスコットランドに“逆輸入”されたように、多くの人がおいしいと思って本家でも受け入れられることで確固たる地位を築いたのだ。実際、ラガーしか飲まなかった私でさえ、徐々に虜になっていったのであるから。それを考えると、結構多いベルギーインスパイアビール(ベルジャンIPA、セゾンなんとか等)や、私の大好きなチェコラガーといったカテゴリーで本家に肉薄したり、新たなジャンルを築く感じのするビールはまだないかな。もちろん、全部飲んだわけではないので、今後もいろいろ飲んでみます。
ちょっと歩いたところに「Double Mountain」というブルーパブが。こんな小さな町にブルワリーが2軒もあるとは恐るべし。時間の都合上、というよりは2軒をはじごするほどお酒に強くはないので外観を眺めただけ。一杯飲んでお勘定っていう飲み方がどうしてもできないもんで。でも、せっかくここまで来たのにもったいなかったかな。
知らない町に来たので、ほろ酔いでもやっぱり歩いてみたい。
こんな景色を横目にてくてく歩き、途中で路上販売していたストロベリーを購入して案の定シャツにびしゃっと苺汁をこぼしながら頬張ったりと、フッドリバー周辺を満喫。地図も無いのでバスの時間が許す限り行ってみようとさらにとことこ町から離れていったところ、前方の林にヒッピー崩れのような風貌をした怪しい集団が・・・。なんか嫌な予感がしたけど、一本道で突然引き返すのが見つかったら変に思われるかもしれないので、道の反対側を何気なく通り過ぎようとしたら、なんと、そのヒッピーの内の一人がライフルを構え出したのだ。そのヒッピーはこちらに向かって構えたわけではなかったのだが、さすがに私は一瞬立ち止まってしまい、彼らを凝視すると、他のヒッピーが「大丈夫、そっちには撃たないから」みたいなジュスチャーをしたので、そそくさと通り過ぎることにした。引き返す時もそこを通らざるを得なかったのでちょっと緊張したが、2度びっくり。警察官数名が彼らに職務質問をしていたのだ。画像が無いのでその面白さは伝わらないのだが、ライフルをもった上半身裸の彼らが警察に職務質問されている絵はコント以外の何ものでもなく、「いやいや、たまたま日向ぼっこをしていて、気持ち良かったからライフルを打つマネをしただけであって・・・」みたいなやりとりが聞こえてきそうであった。でも、彼らに言いたい。私は断じて通報してませんからね。
ポートランドに戻ってこちらもダウンタウンの中心部にあるブルーパブ「Rock Bottom」。ホテルから非常に近かったので、2回とも夜に訪問。季節的のせいか、夕方になると突然雨が降ってくることが多かったので、このブルーパブの存在はありがたかった。
アメリカと言えば特大ステーキ。そして、レッドエール&IPA。ここのビールは今回訪れたブルーパブの中で一番私に合っていた気が。テレビでは上原が頑張って投げていたので、私も負けじとステーキに喰らいついてたくさんビールを飲んだのだった。