チェコビール巡り

チェコビールを中心とした旅行記と雑感です

チェコビールの基本情報

 チェコに行く際、情報源として「地球の歩き方」と「ロンリープラネット(英語版)」の2冊を持っていくようにしている。それ以外では、Hospoda(ビアバー)やPivovar(ビール醸造所)の所在地とそこに行くためにIDOSで検索した交通機関の時刻表を印刷していけば、大きな不自由もなく、快適にビール巡り行うことができる。最近はスマートな電話も重宝しているが、ちょっと外れた場所へ行こうとすると、事前の下調べはどうしても必要。以下、ビール巡りを行う上での基本事項を挙げてみた。

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チェコの通貨:
 チェコの通貨はコルナ。チェココルナ・・・おいしそうである。2019年6月時点では1コルナ=4.8円程度(両替レート)。大きなスーパーやレストランではユーロが使えることもある(おつりはコルナ)。プラハには至るところに両替所があるが、手数料があったり無かったり、金額によってレートが変わったり、気になる人には面倒くさい。私はプラハの地下鉄MUSTEK駅近くのTESCOの一階(つながっている隣のビルかも)や、地方都市の駅隣接の両替所、地方都市の中心部で両替をしていた。さすがに2,000コルナ札以上は使いにくいので、もし、2,000コルナ札を受け取ったら、1,000コルナより小さい札に替えてもらったほうが良い。20コルナ硬貨は枕銭に、10コルナ硬貨はトイレに使い勝手がいいので食事等では札で払い、小銭をキープしておくと良いだろう。

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チェコの物価:
 ヨーロッパの中では他の東欧諸国同様安め。ただ、そうは言っても、日本と違ってインフレであり、ビールの価格も上昇している。一人だと、ホスポダで飲んで食べて少額のチップを払っても、まず500コルナはいかない。チップの仕組みはアメリカほど厳格では無く、そもそも必要なのかさえわからないが、いつも置いていくことにしている。

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チェコの良い所:
 馬鹿騒ぎしている人が少ない。皆、黙々と食事をし、黙々とビールを飲んでいるので、一人でビールを飲んでいても居心地が良い。店員も日本人が来たからと言って特段の関心を払わず、私のような内気な性格の人間にとっては非常にありがたい。また、探す心配がまったくないほど至るところにビールを提供する店があり、朝からビールを飲むこともできる。

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チェコビールの特徴:
 チェコではビールのことを「PIVO(ピヴォ)」と言う。「チェココルナ」同様、いちいちかわいらしい。もちろん「ビア」で十分通じるのでご心配なく。さて、チェコで飲まれているほとんどのビールはラガー(下面発酵)である。日本の大手ビールメーカーのほとんどはラガーの中でもあの黄金色に輝くピルスナースタイルであるが、ピルスナーとはその名の通り、Plzen(Pilsen)発祥でチェコビールの代名詞PilsnerUrquell(ピルスナーウルケル)のことなので、チェコでは Urquell 以外を「Pilsner」と表記することはめったに無い。ものにもよるが、チェコの(淡色)ラガーは日本のものよりもモルトの味がしっかりでボディが重く、その分爽快感はやや小さい。ホップの使い方にも差があるのか、風味や苦みも日本のビールとはだいぶ異なっている。アルコール度数はやや低めなので、酔いは回りにくい。メニューを見ると、ビールの後に「10°」とか度数がついていることが多いが、これはアルコール度数ではなくバリング度(麦汁濃度)であり、高いほどより重たくコクを感じるはず。大体は10~12°であり、Urquell は12°である。最近はどこの Pivovar も11°のラガーに力を入れている(気がする)ので、まず一杯目は11°を試し、その按配から判断して、11°を飲み進めるなり、10°か12°に移行するのがベター。もちろん、特定の度数しかない店もあるので悪しからず。

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チェコビールの銘柄:
 PilsnerUrquell(ピルスナーウルケル)と Budvar(ブドヴァー)が両巨頭。特に PilsnerUrquell はチェコのどこに行っても飲むことができる。しかし、日本のように特定の場所に行かないと大手メーカー以外のビールが飲めないということは無く、その場所場所に「おらが町のビール」がしっかりと根付いているのである。

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■どこで飲むか:
 プラハに限らず、チェコの街を歩けば至るところでビールメーカーの看板を掲げた店が目に入り、ビール探しに困ることは無い。ただ、ビール好きともなれば、当然、ビアバーで飲みたい欲求にかられるだろう。チェコではビアバー、ビアパブのことを Hospoda(ホスポダ)と呼ぶ。ホスポダはレストラン機能も兼ねているので、ビールを飲みにチェコに行く方は実質ホスポダ巡りをすることになる。また、Pivovar(醸造所)には大抵ホスポダが併設されている。日本でも同じであるが、同じ銘柄のビールを出していても、ホスポダによって全くもってうまさの度合い違う。せっかくチェコまで行くのであれば、サイト等をチェックして是非ともうまいビールを出すところ見つけよう。当ブログでも可能な限り紹介していきます! 

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■何を飲むか:
 ホスポダやレストランの外には必ずといっていいほど、そこで飲むことができるメーカーの看板が掛かっている。ホスポダのビールラインナップは(淡色)ラガーとダークラガーの2種類が定番。最近はUnfilter(無濾過)とノンアルコールビールも一般的に提供されるようになってきており、ヴァイス等の小麦系が加わることもある。また、有名なホスポダではハウスビールを提供することも珍しくない。チェコにもアメリカンクラフトビールの風は吹き始めていて、新興の Pivovar では APA やIPA等のエール(上面発酵)も醸造しているし、チェコクラフトビールのタップをずらりと並べる店もいくつか存在する。ただ、先述の通りチェコはラガー(下面発酵)大国であるため、ヴァイス以外のエール(上面発酵)が好きな方はそういった店を調べていこう。 

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■ホスポダでの振る舞い:
 店に入ったら、店員の目を見て「ドブリデン!」といかにも慣れた感じで挨拶をし、空いている席に座ろう。とにかくビールを飲みたければ、メニューを持ってきた段階で「ピヴォ、プロスィーム」か「ビア、プリーズ」と軽やかに言うことができれば完璧。プラハ等の名の知れたホスポダでは、店先の看板にあったメーカーの(淡色)ラガーかハウスビールを出してくる。ダークラガーが飲みたければ「ダーク、プリーズ」でOK。ただ、最近は提供するビールのラインナップが増えてきているせいで、何のビールにするか聞かれることがあるので、店員が困った顔をしていたらメニューを見せてもらおう。ビールのオーダーに成功したら、後はゆっくりとメニューを見て食事を選べば良い。食後は、会計終了後(おつりが返ってきた後)に少額のチップを席に置いて店を出ていくのがスマートな振る舞い。 

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■ビールの価格:
 ホスポダで飲むと0.5Lで25~55コルナ程度(2019年)。20~30コルナ台は駅構内の軽食店や、ビールだけを出す簡素なバー等。プラハのそこそこ名の知れたホスポダは45~55コルナといったところ。観光客が多く集まる場所に面したレスランやホテルだと、80~100コルナすることも珍しくない。プラハを離れるとビールの価格は下がる。TESCO、BILLA、albert等の大手スーパーで買う小瓶は10コルナ程度であり、0.5L缶では Urquell が30コルナ前後、Budvar が25コルナ前後、他は10コルナ台が多い。缶も大分一般的になってきたが、瓶のラインナップの方がまだ充実している。

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■PIVOマスターの方に:
 プラハの本屋で買ったチェコのブルワリーガイドブック。チェコの「Pivovar」が網羅されているシロモノ。上はチェコ語のみ、下はマップ付きでチェコ語に加えて英語とドイツ語が併記されている。どちらも各 Pivovar のHPアドレスが掲載されているので、ビール巡りの下調べにはもってこい。チェコの○○に行くのだが、近くに Pivovar はないかね。といった要望がございましたらご連絡下さい。可能な限りその街に近い Pivovar のURLをお調べします。そして、『Breweries』というチェコの Pivoar を検索できるアプリが秀逸ですので、チェコ全土に打って出ようという猛者は是非ダウンロードしてみては。詳しくは、チェコで知り合った Sさんのサイトをご覧ください。

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