この日は、こちらもほぼ”マスト”な訪問となっている Plzen へ行くためにプラハ本駅へ。駅にはなぜか、年代物(ただ古いだけ?)のピアノが無造作に置かれているのだが、おもむろに座った若者が鍵盤に手を置くと、これがまた、力強く鍵盤を叩き、体を揺らせて見事な音色を響かせたのだ。う~ん、ドッキリかと思ってきょろきょろしたのだが、一向に野呂圭介が出てくる様子もなく。。。
ここのところ、Plzen に来ると、駅近くはいつも工事をしている気がする。Plzen で東京オリンピックみたいなビッグイベントでもあるのかな。
一方で、こんな看板が残ってたり。
「Prazdroj 醸造所」のいつもの正面玄関ではなく、もうちょっと道沿いに行ったところから入ってみた。今回ここに来たのは、Hさんから”Gambrinus の工場見学ができる”という話を聞いていたからなのだ。”Gambrinus の工場見学ができる”。こう聞いた瞬間、正直まったくピンと来なかったのが事実。チェコに行く場合、どこで飲もう、何を飲もう、とあれこれ考える。行きたい場所を列挙して、まあ、結局グダグダになるにしても、一応ある程度のプランにそって「ビール巡り」が決行される。けれど、いまだかつて、Gambrinus 目当てにという発想がなかったのだ。で、今回、Hさんの話を聞いて、ホテルに戻ってふと考えると、なぜか、どうしても、必ず、Gumbrinus に対する”何か”を見つけて帰らなければならない衝動が収まらなくなってしまったのだ。早速、ビジターセンターの受付で私「Gumbrinus の工場見学お願いします!」、受付「ごめんなさい、金、土、日しかやっていないのよ」。私「・・・、OK」。まあ、いつものことと言えばいつものことです。
未だかつて Plzen では Urquell をはじめとした「Prazdroj 醸造所」のビールしか飲んだことが無かったので、今回は中心部近くにある Minipivovar を訪問。『Beer Factory』。最近の Pivovar らしく、いろいろな影響を受けたラインナップ。「Nevada Ale」って、ハードル上げたなあ。
そうは言っても当然一杯目は12°の無濾過ラガー。とろっとしていて、苦味しっかり、甘味も。苦味が少し残るかな。美味しいね。丁度仕込みをしていて、麦汁の香りが店内に充満。それにしても、ここもつい最近できたんだろうなあ。明らかに見た目ピカピカだし。”ビールの聖地" Plzen にも新風が吹いているんだね。
続いてのウィートはバナナ感しっかり。豚のガーリックステーキはビールのあてとして抜群。そう言えば、今回のチェコでは豚ばっかり食べていたような。最近は普段の生活でも豚がメインなんだけどね。でも、海外に行った場合、まず無難なのが鳥なんだよね。私の中では「鳥に外れ無し」が定説。
IPAはやはりチェコIPAの按配。最後の「Black Ale」は最近の流行を反映してスパイシーかと思ったら、ややコーヒー感のある、ほぼダークラガーの出来。店内の雰囲気やビールのラインナップとは反対に(?)、ビール全般にややコンサバな印象かな。
さて、『Gambrinus』の工場見学の道は断たれたものの、せっかく来たからには Urquell の工場見学をするよね。決して「仕方なく」ではありません。3度目ではあるけど。見学コースの内容や雰囲気を詳しく紹介しませんが、微妙ではあるけど、2年前と比べてもより観光地化されたかな。アサヒとウルケルで乾杯か。私としてはこれに対して特に強い思い等はございません。ちなみに、ガイドの方はまだアサヒのビールを飲んだことが無いとおっしゃっていました。
ブルワー養成用のミニミニ Pivovar。ここで作られたビール飲んでみたいなあ。こんな小さな醸造設備でもしっかり銅製窯。そして、いろいろ端折って、最後は無濾過の絶品ウルケル。今回初めてグラスで飲んだのだが、プラカップで飲む時とは印象変わるのかな。このこととは直接関係ないかとは思うが以前飲んだ時より麦汁がより強い印象。店で提供される Urquell の甘味って、麦汁そのものってよりも、甘味料的な独特の印象を受けるのだが、ここで飲む無濾過は正に麦汁の甘さ。
私が初めて Urquell を飲んだ店。地球の歩き方に載ってたから入ったんだけど、当時は緊張したなあ。しかも、あの時の私には Urquell の味が独特過ぎたというのと、寒過ぎたというのもあって、意気込んだ割に2杯しか飲めなかったと記憶している。
無性にピザが食べたくなり、ピザ屋で Urquell。意外と Pivovar のレストランにはピザが置いてないんだよね。Plzen には先ほど訪問した 『Beer Factory』以外にもMinipivovar がいくつもあるので、もう少し周ってみても良かったかな。その内の何件かは、中心部から徒歩で楽々行ける距離だし。
”肩すかしを食らった”恰好になって、もやもや感は強まるばかり。『Gambrinus』への渇望から、就寝前に12°を一本。もう、我慢できない。明日は朝から飲むかあ。まあ、それほど特別なことでもないんだけど・・・。